精神科医療機関や障害者支援施設など精神障害者のリハビリテーションに関わるみなさまへ

―レクリエーション、リハビリテーションスポーツについて―

 スポーツは健常者、障害者を問わず誰しもが楽しめるものです。近年、「生涯スポーツ」として子供からお年寄りまで生涯にわたってスポーツを行える環境を作ることが大切だと言われています。また、「生涯スポーツ」は、広く「障害者スポーツ」も含まれており、病気や障害をもってもスポーツができる環境を作ることとして障害者スポーツの推進が図られています。

 障害者スポーツは、心身の機能回復や機能訓練を目的としたリハビリテーションスポーツ、アスリートとして上位大会を目指したり、競技性を追及した競技スポーツなど多岐にわたり、現在、障害者スポーツは盛んに行われています。しかし、精神科デイケアや障害者支援施設においては、就労に向けたプログラムは充実していますが、スポーツプログラムを実施している機関は多くはありません。

 スポーツは、心身の機能回復だけでなく、自信の獲得や自己効力感の向上、目標への準備性を高めることが検証されています。また、医療や福祉の現場の方々からは、スポーツに取り組むことで就労への期待感が高まり、実際に就労につながったという声を多数いただいています。一見、単なる余暇活動と見えますが、スポーツは余暇だけでなくさまざまな可能性を秘めており、エビデンスも蓄積され始めています。

 まずは、レクの一環として行うことからで十分です。はじめは、メンバーの方々も億劫がったり、乗り気でなかったりするかと思います。スポーツが苦手なメンバー、久しぶりの運動で疲れやすいメンバーなどさまざまな方に配慮しつつ、職員の方が一緒になってスポーツを楽しむ!!ことから始めてみることでメンバーの方々がスポーツの楽しみを覚えることと思います。

ソフトバレーボールに限らず、障害者スポーツが精神科リハビリテーションや精神保健福祉の中で広がり、障害を持った方がいつでも誰でも手軽にスポーツに取り組むことができ、就労も含めた社会参加の機会が広がっていくことを願っております。